TRIADOF13TH – 曇りの日(Kumori no Hi)
OOO-52 | Cassette tape
A1. リザルト
A2. PUES
A3. ボザー
B1. LOW BAROMETRIC PRESSURE
2021年に林原敦志(b, vo | JDOW, MACROCHORD,PARALYZED)、宮部幸宜(g, vo | AKBK, ENDON, PRAYMATE)、田中佑来(dr | extremeOBSN, suthpire, Whales, ZENANDS GOTS)が集い、散発的なBandcampでの謎めいた作品発表を経て、同年9月にリリースしたフル・アルバム『曲がり角 ニオイ 夢の夜』で全貌を見た……かに思えたTRIADOF13TH。その当初における“ハードコア・パンク”というジャンル・ミュージックとしてのラベリングが、ニアリーイコール級に遠からずではあるものの妥当ではないことを示すのが、2022年発表の『水槽と熊』に続く本作『曇りの日』だ。
サイドAには、THE BIRTHDAY PARTYやPUSSY GALOREのブルージーなノイズロック、MARSのソリッドなノーウェイヴ、HAWKWINDの破天荒な宇宙、はたまた宮部が敬愛するBrian Setzerなどを思わせながらも、そのいずれでもないネクストレヴェル曲を収録。UNSANEやJESUS LIZARD、SHELLACといったAmphetamine Reptile Records、Touch And Go Recordsのファンにおすすめとも言えるし、「パンクなの?」「パンクだと思ってないよ、I don’t know」と考えていそうなあたり東京ロッカーズのファンにおすすめとも言えるが、宮部による泣きを含むギター・プレイやサウンドメイクは技巧派諸氏をも唸らせることだろう。サイドBでは、3者の裏・真骨頂と言うべきノイズ・アンビエントを披露。チャイルディッシュなメロディを伴う美しいサウンドスケイプだが、(むしろ)そこには“ハードコア・パンク”が内包されていると直感できるだけのキャパシティを備えている。
(久保田千史)
Band Profile
2020年結成 BLOWUPなどで行われてきた音楽とマジックリアリズムの関係をパンクロックのフィールドで再考する、内容の無いジャップコアバンド。 Gt/Vo Koki Miyabe Ba/Vo Atsushi Hayashibara Dr/Vo Yuki Tanaka